今回は少し趣向を変えて (?)、僕が所属する Grani, Inc. の新たな取り組みについて紹介します!先日の CLR/H in Tokyo 第 11 回でも「one more thing...」として軽く触れたのですが、来月 11/16 (水) に開催される Japan VR Summit 2 でグラニも VR コンテンツのブースを出展します。
内容は弊社グラニのオフィスツアー。「VR なら会社まで来なくても会社見学できるよね」という発想ですね!専用のサイトもあります。
最先端のスキャン技術を用いたオフィスツアー
やるからには当然リアリティを追求したい。ということで、最先端のスキャン技術で超高精細な 3D モデルを構築しています。どれくらい精細かというと、社員ですら「ここ、もう本当に会社じゃん...」と錯覚するレベルです。
以下は社内をスキャンしたポイントクラウド (点群) データを可視化したもののひとつ。非常に高い精度で座標が取得できていて、形状がハッキリ出ているのが分かるのではないかと思います。
先の VR Office Tour のロゴも実は写真じゃないんですよ!しかも、現在はそのロゴで使われている 3D モデルよりもさらにテクスチャなどが進化しています。
FPS の維持
VR の最大の敵は VR 酔いです。「コレが起きるコンテンツには価値がない」と言われても過言ではないくらい、シッカリと対策しなければなりません。
特に気を付けなければならないのは FPS (= 1 秒間あたりの画面描画回数) で、PC VR では *1 90 FPS 程度の確保がひとつのラインと言われています。そして、この値がある程度出る (= VR コンテンツをある程度快適に楽しめる) 高性能なマシン/グラフィックカードを「VR Ready」と呼んだりします。
現在のグラフィックカードで最上位モデルと言われる GeForce GTX 1080 でこの数字を出せればいいと言えばそうなのかもしれませんが、グラニでは FPS に対してよりシビアな肌感覚を養うため、敢えて VR Ready ではない GTX 960 をメインで使って開発しています。今回制作している VR Office は、そんな環境下でも一定の FPS が出せる程度にはパフォーマンスに気を配っています。
今後は?
今回の VR Office 制作にはかなり多くの要素を詰め込みました。当然試行錯誤なので作ったけれど捨てたものもあります。この間、非常に多くの知見を得てきたので、今後少しずつでも公開できていければと思っています。
*1:現在は 120 FPS が目安とも言われています